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ChatGPTにお金の悩みを相談する前に。FPが注意点を教えます

2025年8月8日
執筆者:土屋 ごう
  • ChatGPTにお金の悩みを相談する前に。FPが注意点を教えます
ChatGPTを「お金の悩み相談」に使ってみようと考えたことはありませんか?
もしかしたら、すでに相談したことがある人もいるかもしれませんね。
たしかにChatGPTは24時間365日、いつでも問いかけに答えてくれる便利なツールです。
しかし、すべての相談に向いているとはいえません。とくにお金の話のように、複雑で専門的なジャンルについては注意が必要です。
本記事では、日頃ChatGPTを使っているFPの視点から、ChatGPTへのお金の相談について気をつけたいポイントをお伝えします。

ChatGPTでお金のモヤモヤが整理できるケース

  • ChatGPTでお金のモヤモヤが整理できるケース
お金の悩みといっても人によって実にさまざまです。そして、ChatGPTはお金の相談相手としては不足する面もあります。しかし内容によってはお金の悩みの整理や解決にも役立てられるでしょう。
ChatGPTが得意なことは以下のとおりです。

 ● ニュース性・専門性のないライトな質問への回答
 ● 単純な計算
 ● 文章の作成
 ● 不安や悩みの「聞き役」

これを踏まえて、お金に関してどのような相談ならChatGPTでも整理できるか、具体的にみていきましょう。

ニュース性・専門性のないライトな質問

ライフハックや豆知識のような、浅く広い情報提供はChatGPTの得意分野です。
たとえば「節約法」「投資の種類」「お金が貯まる人の習慣」「家計簿のつけ方」といった質問に対しては、Web上にある文章を数秒でリサーチして回答してくれます。

基本的に、ChatGPTの知識には最新の情報が反映されていません。したがって、度々改正がある法制度が関わる質問は苦手です。
またChatGPTのしくみ上、個別の事情を深く考慮する必要がある質問も苦手としています。

単純な計算

利回りの計算やインフレの影響など、日常的なお金に関する計算にもChatGPTは便利です。
例として、以下のような質問があげられます。

 ● 毎月1万円を利回り4%で20年間積み立てたらいくらになる?
 ● 毎月1万円を利回り2%、4%、6%で20年間積み立てたらそれぞれいくら?
 ● 毎年2%ずつインフレが進むとしたら、今100万円のものは10年後いくら?

こうした計算は各種シミュレーションサイトが公開されていますが、いちいち専用サイトにアクセスするのはやや面倒ですよね。
ChatGPTはアプリやウィンドウひとつで複数パターンのシミュレーションにも即座に答えてくれるため、利便性が高いといえるでしょう。

文章の作成

ChatGPTの日本語の文章作成能力はめきめき向上していると感じます。
お金の話はなかなか言い出しにくいシーンもありますよね。ChatGPTに相談すれば、ていねいに、やわらかく伝える文章を考えてくれますよ。
たとえば、以下のようなシーンで言葉選びに悩んだ経験はありませんか。

 ● 友人に貸したお金が返ってこない。LINEでやんわり催促したい
 ● パートナーと旅行費の分担について話したい。重たくならない切り出し方は…
 ● 期日になっても取引先から入金がない。不快感を与えない連絡メールを送りたい

配慮を要する文章を考えていると、あっという間に30分、1時間が経ってしまいます。ChatGPTはかなり自然な表現の文章を提案してくれるため、文章の作成で悩む時間も大幅に減らせるでしょう。

不安や悩みの「聞き役」がほしいとき

ChatGPTは話の「聞き役」として非常に優秀です。お金に関する悩みでも、解決を求めるのではなく、ただ誰かに聞いてほしい、感情を整理したいときには助けになってくれます。

 ● 友人に貸したお金が返ってこなくてもやもや。ちょっと愚痴を聞いてほしい
 ● 節約をがんばっているのになかなかお金が貯まらず、つらい。自分がどれだけがんばっているか、聞いてほしい
 ● 教育費や住宅ローンの返済がかさんで将来が不安。今はアドバイスはいらないので、とにかく不安なことを誰かに話したい

ChatGPTは、ユーザーがログインして使えば、過去のやり取りをふまえて返答してくれるため、使えば使うほど自分に寄り添った対応になっていく傾向があります。
また、人間の相手を必要とせず、スマートフォンで話したいときに話せる便利さも魅力です。夜遅い時間やちょっとしたスキマ時間でもすぐに返事をしてくれる点は、助かる人も多いのではないでしょうか。

ChatGPTにお金の悩みを相談する際の注意点

  • ChatGPTにお金の悩みを相談する際の注意点
ChatGPTを使っていると、何でも正確に答えてくれるような気がしてきませんか。
しかし現状は、ChatGPTの回答は必ずしも正しいとはいえません。ChatGPTにもできないこと・苦手な処理があるためです。
ここでは、ChatGPTに対して注意すべきお金の相談とはどういった内容なのか、具体例を2つ紹介します。

法制度が絡む相談

社会保障制度や投資、保険、不動産、住宅ローン、税金、相続など、法制度が関わるジャンルについては要注意です。ChatGPTが誤った回答を出力する可能性が高くなるためです。
その理由は大きく2つあります。
まず、ChatGPTの知識は最新ではないからです。一定の学習時点までの情報をもとに回答を生成するため、法改正や制度変更に対応できていない可能性があります。
金融関係の法制度は頻繁に改正されますので、ChatGPTの知識が追いつかず、古い情報が返ってくるかもしれません。

次に、回答の根拠や出典があいまいなことが多いためです。「参考にしたURLを教えて」と頼めば出典を表示してくれますが、存在しないページであることも珍しくありません。
また、ChatGPTが参照したWeb上の文章がそもそも誤った内容であれば、ChatGPTの回答も当然誤ったものになってしまいます。
そして、こうした誤情報をいかにも正しいもののように回答してくる点がChatGPTの厄介なところです。

それなりの金融リテラシーや情報リテラシーがあれば、ChatGPTの回答に対して違和感を持ち、自分で正しい情報を調べられるでしょう。
一方、 金融リテラシーに自信がなく、回答の真偽を見極められそうにないと感じるならば、はじめからこうした専門的な相談は避けたほうが無難です。

正解のない相談

個人の複雑な事情や価値観を考慮しなければ答えられない、人によって「正解」が異なる相談もChatGPTには不向きです。
具体的な例は以下のとおりです。

 ● おすすめの投資信託は?
 ● Aの保険とBの保険ならどっちが得?
 ● お金は貯めるべき?運用すべき?

自身の年齢や家族構成、年収、理想のライフスタイルなど、どれだけ詳細に条件を入力したとしても、自分にぴったりの回答はChatGPTには提示できません。
なぜなら、ChatGPTの回答はあくまで Web上の文章の優れた「まとめ」だからです。
Web上でなかなか自分にしっくりくる回答がみつけられないように、ChatGPTも個人情報や価値観、ライフスタイル、リスク許容度を総合的に考慮した回答は苦手です。

その反面、ChatGPTは考え方のヒントや選択肢の提示を得意としています。「貯金と運用、それぞれのメリット・デメリットを教えて」といった質問ならば、ある程度網羅的な回答を期待できます。
したがって、内容には気をつけつつ、「答え」ではなく「考えるヒント」を求める程度に利用するとよいでしょう。
最終的な意思決定者はChatGPTではなくあくまで自分です。また、実際に行動するのも自分であり、失敗してもChatGPTは責任をとってくれません。
ChatGPTは何でも答えてくれるように感じますが、過信は禁物です。

同じAIでもAI家計簿アプリはどうなの?

  • 同じAIでもAI家計簿アプリはどうなの?
ChatGPTへのお金の相談には注意が必要ですが、AI機能を搭載した家計簿アプリの利用はどうなのか、気になりますよね。
結論からいえば、支出管理の入口として非常に有効です。ただし、その前提となる目標設定は、自分自身で考える必要があります。

まずAI家計簿アプリのおもな機能をみてみましょう。

 ● 【データ分析・提案】 
   支出の傾向を学習し、節約アドバイスや警告を提案
 ● 【予算設定・目標管理】 
   カテゴリ別の予算設定、貯蓄・投資の目標の進捗管理
 ● 【可視化】 
   グラフやチャートで収支や資産の全体像を可視化
 ● 【予測・シミュレーション】 
   将来の収支や資産状況の推移を予測
 ● 【各種デバイスとの連携】 
   スマホやWebブラウザなど複数の端末で同期し、操作可能

このように便利な機能が搭載されているため、 日々の支出の振り返り家計全体の把握目標の進捗管理にはとても役立ちます。
ただし、注意したい点も2つあります。

まず、「使いすぎアラート」といった便利な機能が、人によっては逆にストレスになりかねないことです。
収入は毎月ある程度一定ですが、支出には月ごとにばらつきやすいものです。まじめな人ほどアラートや進捗を気にしすぎて、疲れてしまうかもしれません。あくまで参考程度にとどめるとよいでしょう。

次に、AIは目標への進捗管理は得意でも、そもそもその目標が適切かどうかまでは判断できない点です。高すぎる目標を立ててしまうと達成が難しいだけでなく、自分を責める、諦めてしまうなど、せっかくやる気になったのにもったいない結果となることもあり得ます。

そして、本当に適切な貯蓄の目標を設定するなら、ライフプランの設計が欠かせません。ライフプランの設計には、家族構成や収入、教育費、住居費、理想の生活スタイル、性格、価値観など、多くの要素を総合的に考える必要があります。これは、現時点のAIにはまだ難しい領域です。

とはいえ「毎月自分が何にいくら使っているのか、ひとまず把握したい」
「アラートがないとついついお金を使いすぎてしまいそうなので、知らせてほしい」
といった方には、有効なツールといえるでしょう。

ChatGPTは優秀だけど万能ではない!FP相談も視野に

  • ChatGPTは優秀だけど万能ではない!FP相談も視野に
最後に、本記事の要点を簡単に振り返っておきましょう。
  • Check
  • ChatGPTは時事性・専門性の低い悩み相談なら優秀なパートナー
  • Check
  • 法制度が絡む相談や絶対的な正解のない相談には不向き
  • Check
  • ChatGPTの回答は誤情報も多いため、鵜呑みにしない前提で利用を
ChatGPTは、いつでも気軽に使える便利なツールです。
ブラウザのタブをいくつも開かなくとも多くの情報をすばやくまとめて提示してくれますし、優秀な聞き役にもなってくれます。

しかし、情報が古い、誤情報も多い、人間の複雑な心理の考慮が難しいといった欠点もあります。本気で解決したいお金の悩みについては、やはり人間の専門家への相談がおすすめです。FPなら、家計の状況や家族構成、ライフスタイル、あなたの性格や価値観などをていねいにヒアリングし、オーダーメイドのライフプランとアドバイスを提供できます。

当所にも、ライフプランの作成や資産形成、家計の改善についてのご相談が多く寄せられています。ただ計画を立てるだけでなく、計画の実現までサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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