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「幼稚園と保育園の無償化」とは?無料になる対象をFPが解説します 

2024年12月26日
執筆者:土屋 ごう
  • 「幼稚園と保育園の無償化」とは?無料になる対象をFPが解説します 
幼稚園・保育園に習い事…子育てにはいろいろな出費がつきものですよね。
なにかと出費がかさむ子育て世代のために2019年10月1日から「幼児教育の無償化」がスタートしました。

簡単にいうと「幼稚園・保育園が(条件つきで)無料になり、住民税の非課税世帯なら0〜2歳児も保育料がかからない」という嬉しい制度です。

しかし、制度の存在は知っていても具体的な条件や内容はよく知らない方も多いはず。

そこで今回は「幼児教育の無償化」がどのような制度なのか、何が無料になるのか、わかりやすくご紹介します。

幼児教育無償化(幼保無償化)の内容

  • 幼児教育無償化(幼保無償化)の内容
幼児教育の無償化は2019年10月1日の消費税の増税を資金源としてスタートしました。
幼稚園、認可保育所、認定こども園のほか認可外保育所なども対象になります。

子どもの年齢ごとに内容をみていきましょう。

3歳〜5歳の子どもたち

  • 表
3歳から5歳の子どもたちは幼児教育無償化のおもな対象です。幼稚園や保育所、認定こども園、また認可外保育所の利用料が無償化されます。
ポイントは下記のとおりです。
  • チェック
    【幼稚園】
    幼稚園については満3歳になった後の4月1日〜小学校入学前の3年間が対象で、 月額25,700円の上限が設けられています。
  • チェック
    【幼稚園の預かり保育】
    住まいの自治体から「保育の必要性の認定」(後述)を受ける必要があります。無償となる上限は月額11,300円です。
  • チェック
    【認可保育所・認定こども園・地域型保育事業】
    この場合も「保育の必要性の認定」が必要です。通園送迎費やおやつ代を除き、利用料が無償となります。
  • チェック
    【認可外保育施設】
    保育所や認定こども園を利用できていない方が対象です。「保育の必要性の認定」が必要で、月額37,000円までの利用料が無償になります。

0歳〜2歳の子どもたち

  • 表
0歳〜2歳の子どもたちについては全員が対象となるわけではありません。
対象となる条件は下記のとおりです。
  • チェック
    住民税非課税世帯
      →  月額42,000円を上限に利用料が無償となります
  • チェック
    第1子が保育所等を利用中の世帯における0歳〜2歳の第2子
      → 利用料が半額になります
  • チェック
    年収360万円未満の世帯における0歳〜2歳の第2子(第1子の年齢は問わない)
      → 利用料が半額になります
なお、0歳〜2歳の子どもについてはいずれの場合も「保育の必要性の認定」が必要です。

東京都の例

これまでにみてきた、3歳〜5歳の子どもたちと、住民税が非課税の世帯における0歳〜2歳までの子どもたちの保育料を無償とするのは国の制度です。
この、国の制度をベースに独自の支援制度を設けている自治体もあります。たとえば東京都もそのひとつです。

東京都では、2023年度より、 0歳〜2歳の第2子については住民税非課税世帯でなくても保育料を無償としています。
さらに2025年10月からはこの範囲を拡大し、0歳〜2歳の第1子についても無償とする見込みです。

このように、お住まいの自治体が独自の制度を設けている可能性もあるため、国の制度とあわせて確認してくださいね。

保育の必要性の認定

  • 保育の必要性の認定
保育所や地域型保育事業、認定こども園、新制度幼稚園など「子ども・子育て支援法」で指定された施設を利用する場合に必要な認定が「保育の必要性の認定」です。

家庭の状況に応じて必要な保育・教育サービスを適切に提供するために、 保育が必要な事由保育の必要量を判定します。

たとえば保育所や認定こども園、地域型保育事業を利用したい場合に該当が必要な「保育を必要とする事由」としてこども家庭庁が挙げているものは下記のとおりです。(【】内は従来から新たに追加となった事由)

 ● 就労(フルタイムのほか、【パートタイム、夜間、居宅内の労働など】)
 ● 妊娠、出産
 ● 保護者の疾病、障害
 ● 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
 ● 災害復旧
 ● 【求職活動(起業準備を含む)】
 ● 【就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)】
 ● 【虐待やDVのおそれがあること】
 ● 【育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること】
 ● その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
引用:よくわかる「子ども・子育て支援新制度」|こども家庭庁

認定の基準は国が定めた大枠にもとづいていますが、細かな部分は自治体によって異なります
また、「保育の必要量」は保育を受けられる時間のことです。保護者の状況や複数の事由を考慮して、下記3区分のいずれかに判定されます。

 1. 保育標準時間(1日11時間)
 2. 保育短時間(1日8時間)
 3. 教育標準時間(1日4時間)
  • 表

無料の対象になるもの / ならないもの

  • 無料の対象になるもの / ならないもの
幼児教育無償化において無料の対象となる費用は、 幼稚園・保育園などの「利用料」です。利用料以外の費用は無料にはならず、引き続き保護者が負担します。
無料にならない代表的な費用は下記のとおりです。
  • Check
  • 入園料
  • Check
  • 通園送迎費
  • Check
  • 食材料費
  • Check
  • 行事費
  • Check
  • 学用品費
ただし下記の世帯・子どもについては、食材料費のうち おかず・おやつ代など一部の支払いが免除されます。

 ● 認定こども園、認可保育所、幼稚園に通う年収360万円未満相当の世帯
 ● 第3子以降の子ども

幼児教育無償化(幼保無償化)で手続きは必要?

  • 幼児教育無償化(幼保無償化)で手続きは必要?
幼稚園や保育園の利用料を無償とするための手続きは、利用する施設によって異なります。手続き必要有無や方法をみていきましょう。

幼稚園・認可保育所・認定こども園・地域型保育事業

子ども・子育て支援新制度の幼稚園、認可保育所、認定こども園、地域型保育を利用している場合、無償化の対象になるための 手続きは必要ありません
ただし幼稚園などの預かり保育は、新制度への移行に関わらず「保育の必要性の認定」について別途手続きが必要です。通園している幼稚園から書類をもらい、幼稚園経由で各市区町村へ申請する流れが基本です。

子ども・子育て支援新制度未移行の幼稚園

幼稚園といっても新制度に移行していない園を利用している方は話が変わります。この場合は利用料を無償化するための 申請が必要です。通園している幼稚園経由で市区町村に申請しましょう。

認可外保育施設(認可外保育所・認証保育所・ベビーシッターなど)

認可外保育施設の利用者については、 「保育の必要性の認定」を受ければ無償化の対象になります。手続きは施設を経由せず、市区町村に直接申請します。

対象や条件を理解して積極的な制度活用を!

  • 対象や条件を理解して積極的な制度活用を!
最後に、本記事の要点をおさらいしていきましょう。
  • チェック
    @ 幼児教育無償化は3歳〜5歳と一部0歳〜2歳の子どもたちが対象
  • チェック
    A 利用する施設によって「保育の必要性の認定」が必要
  • チェック
    B 通園送迎費など「利用料」以外の費用は無料の対象外
近年は少子高齢化対策として女性の社会活躍をバックアップする制度が増えています。制度の恩恵を受けるためには制度をよく理解し、正しく活用することが大切です。

とくに認可外保育施設や預かり保育の利用料を無償とするためには「保育の必要性の認定」を受けておく必要があるので、忘れずに申請しましょう!

弊所では、家計のご相談において、こうしたさまざまな制度の活用を積極的にご提案いたします。
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