NISAで積立投資した教育資金の取り崩し方をFPが解説します|横浜、東京近郊出張対応&オンライン(WEB)相談可・ライフプラン、資産運用、保険の見直しはFCTGファイナンシャルプランナーズにご相談ください。

NISAで積立投資した教育資金の取り崩し方をFPが解説します

2025年1月10日
執筆者:土屋 ごう
  • NISAで積立投資した教育資金の取り崩し方をFPが解説します
NISAの積立投資で教育資金を準備する方が増えています。そこで悩ましいのが、適切な「取り崩し方」です。
資産の取り崩しは退職後・老後の生活でよく実行されますが、教育費のかかる時期にも活用できます。

本記事ではNISAで積み立てた教育資金の取り崩し方について、取り崩しの基礎知識から実際に取り崩す流れまで解説します!

NISAでの積立投資における「取り崩し」とは

  • NISAでの積立投資における「取り崩し」とは
NISAが改正されてから投資信託の「積み立て」を始める方が増えました。実践によって積立投資に対する理解は広まりつつあるものの、資産の「取り崩し」についてはまだ誤解している方も多いようです。

まずは取り崩しとはなにか、理解していきましょう。

取り崩し=積み立てている商品を少しずつ売却すること

「取り崩し」には「まとまっているものから少しずつ取り去ること」という意味があります。

資産運用における「取り崩し」も同様で、それまで積み上げてきた 資産を一部売却して現金化することを指します。

たとえば、現役中にNISA口座で積み立てた投資信託を少しずつ売却し、老後の生活費に充てる、といった使い方はわかりやすいでしょう。

取り崩しによって必要なタイミングで必要な資金を手に入れられますが、売却すればその分資産は減ります。
ですから、はじめて資産運用に取り組む方は少し抵抗を感じるかもしれません。

しかし取り崩しまで考慮して計画的に運用をおこなえば、教育資金の準備だけでなく老後の資産寿命の伸延も実現できます。

取り崩しは運用・積み立てをやめることではない

資産を取り崩すと聞いて「お金を使う予定があって売却するのだから、当然積み立ても運用やめるんでしょう?」と思いましたか?

いえいえ。取り崩しは「資産の一部売却」ですから、 取り崩しを始めただけでは運用は終わりません

例として、毎月5万円ずつ積立運用してきた資産(投資信託)が800万円あるとしましょう。
子どもの大学の学費を払うために100万円を取り崩したとして、まだ700万円残っていますよね。
この700万円は投資信託ですから、引き続き運用は続きます。

このとき「毎月5万円は難しいが、2万円なら引き続き積み立てられそう」といったケースもあるでしょう。
であれば、2万円に減額したとしても、積み立ても続けられますよね。

もちろん、家計が厳しい場合は積み立てを一時中断しても問題ありません。
家計が落ち着いたら積立額をもとに戻す、積み立てを再開すればOKです。

NISA口座を解約(閉鎖)することではない

資産の取り崩し=NISA口座の解約(閉鎖)と捉えている方もいらっしゃいますが、これも誤りです。

NISA口座を閉鎖するには、毎月の積み立てを完全にストップしたうえで、持っている投資信託をすべて売却して口座の残高を0にする必要があります。
取り崩しは必要な分だけ資産を売却する行為ですから、口座を閉鎖するわけではありません。

また、先ほど少し触れたようにNISAでは積み立ての一時中断もできます。積み立てをストップしても、口座は閉鎖されません。

NISAで積み立てた教育資金の取り崩し方

  • NISAで積み立てた教育資金の取り崩し方
では、実際にNISAで積み立てた教育資金は必要な時期になったらどのように取り崩していけばよいのでしょう。
ここからは取り崩しのポイントを3つ解説します。

必要な時期の3年前頃から売却を検討する

NISAでの積立投資で教育資金を準備するというと、「いざ必要なときに値下がりしていたらどうするの?」とよく聞かれます。
たしかに、バブルの崩壊やリーマン・ショックのような暴落が絶対に起きないともいいきれません。

こうした状況を避けるには、 教育資金が必要になる時期の3年ぐらい前から売却を検討しましょう。

たとえば、多くの方が積立対象として選択している世界株式型の投資信託なら、年率平均リターン(単年のリターンではなく、年率「平均」リターンです)7%が売却の目安です。

年率平均リターンが7%程度になっていたら、お金を使う予定がまだ2年、3年先だとしても、ためらわず一部でも利益確定しておくとよいでしょう。

なぜ7%が目安になるか?といえば、全世界株式型の投資信託の指標となる「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という指数の、保有期間別の平均リターンが7%程度だからです。

2025年現在、10%のリターンを超えている人も多いと思いますが、これは現在株価もよく、しかも円安の効果もあってのことです。ですから、もしかしたら今は一部売却するにはいい時期なのかもしれません。

全世界株式型の投資信託についてはこちらの記事でくわしく解説しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。

関連記事:

家計の状況に応じて積み立てを中止してもよい

教育資金が必要な時期になったとき、取り崩しと同時に積み立てを一時中止しても構いません

積み立てを続けられるなら、減額してもよいので少しずつでも積み立てを続けてほしいのが本音です。しかし積み立てを優先して家計がまわらなければ本末転倒ですから、 家計の状況に柔軟に対応していきましょう。

急な出費があった際は躊躇なく積み立てを中止する

教育資金のほかにも、親の介護費用や医療費など急な出費が発生するかもしれません。こうした場合は、まずその 出費に対応したうえで家計をまわすことが最優先です。

預貯金や資産の状況、教育資金が必要になるまでの期間にもよりますが、場合によっては教育費での取り崩しとは別で取り崩すことも選択肢のひとつに入ってきます。

ただし、当然ですが取り崩せばその分資産は減ります。教育資金のため、さらに老後資金のためと目的があって積み立てているはずですので、こういったときには家計の見直しが必要になるかもしれません。

NISAでの取り崩しの流れ

  • NISAでの取り崩しの流れ
繰り返しますが、資産の取り崩しは、言い換えれば資産の「一部売却」です。
NISAで積み立てている投資信託を一部売却する手順は大きく3ステップにわかれます。

1. 取り崩す商品を選ぶ(複数の商品を積み立てている場合)

複数の投資信託を積み立てている場合は、どの銘柄を取り崩すのか決めましょう。
NISAは売却益が非課税になる制度ですから、利益の出ているもののなかから売却を検討します。

2. 売却する金額または口数を指定する

売却方法として、金額指定と口数指定のいずれかを選べます。

 ● 金額指定:100万円、50万円など、金額を指定して売却する方法
 ● 口数指定:100万口、50万口など、投資信託の口数を指定して売却する方法

なお、投資信託の基準価格は1万口あたりの金額です。口数指定の場合、基準価格が15,000円の投資信託を100万口売却すると、150万円になる計算です。

ただし、その日の基準価格は翌営業日にならないとわかりませんので、実際には多少前後すると思ってください。

金額指定と口数指定のどちらを選んでも構いませんが、わかりやすさをとるなら 金額指定を選びましょう。

3. 売却注文を出してお金を引き出す

画面の表示をよくみて、出そうとしている注文に誤りがないか確認したら、売却の注文を確定します。
売却注文を出したら、一般的には4営業日〜6営業日で投資信託が現金化され、売却代金が証券口座またはあらかじめ指定してある銀行口座に入金されます。
「営業日」ですので、土日祝日を挟むことを考えると 実際には1週間〜10日ほどかかると想定しておきましょう。

また手数料の一種である「信託財産留保額」が設定されている投資信託では、売却代金の0.3%程度が売却代金から差し引かれます。(引かれる割合は商品ごとに決まっています。)

ただしNISAですから、売却益に対する税金は引かれません

「取り崩し」を正しく理解して教育資金を準備しよう

  • 「取り崩し」を正しく理解して教育資金を準備しよう
最後に、本記事の要点を簡単におさらいしましょう。
  • Check
  • @ 積立投資における「取り崩し」とは、積み立てた資産の一部を少しずつ売却すること
  • Check
  • A 教育資金を目的として積み立てている場合、教育費が必要な時期の3年前頃から売却を検討する
  • Check
  • B 家計の状況によっては、資産を取り崩すだけでなく積立額の減額や積み立ての一時中断も視野に入れる
「取り崩し」はおもに老後の生活資金を確保するために使う手段として知られていますが、大学進学といった教育費がかさむ時期にも使えます。

教育費がかかる時期の3年前頃から売却を検討し、積み立ては続けられそうか、減額すれば続けられるのか、一時中断する必要があるのか、状況に応じて判断していきましょう。

本記事では取り崩しの基本をお伝えしましたが、「うちの場合はどうすればいい?」と思った方もいらっしゃるでしょう。

弊所は教育資金の準備方法や、NISAの具体的な取り崩し方、資産運用について、多くの実績がございます。
下のバナーまたはこちらのお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合わせください。

関連記事:
  • ライフプラン
  • LINE5大特典バナー

PageTop