【値上げに負けない】電気代節約術&電力会社の選び方で家計を賢く守ろう<前編>

2023年7月7日
【値上げに負けない】電気代節約術&電力会社の選び方で家計を賢く守ろう
2022年から電気代の値上げが続きます。2023年6月にも、電力大手10社のうち、7社がまた電気代を値上げしました。結果、首都圏の電気代は関西地域よりも約5割も高くなっています。
さらに、いよいよ夏本番。エアコンを本格的に使用する時期がやってきますから、「来月の請求額を見るのが怖い」という方も多いのではないでしょうか。

今回は電気代を抑えるために、節約術と電力会社の選び方を前後編にわけてお伝えします。
前編の本記事では、今日から取り組める節約術を取り上げますよ。ぜひ、できることから取り入れてみてくださいね。

電気使用量の多い家電を知っておこう

電気使用量の多い家電を知っておこう
エアコン、冷蔵庫、テレビ…自宅には電化製品が多くありますが、電気使用量の多い機器はいったいどれでしょうか。
経済産業省のデータをもとに、電気の使用量が多いカテゴリ順に5位までをまとめたのが下の表です。
電力表
※夏は19時頃、冬は1日の電気使用量
※メディア機器…テレビ・DVD・PC・ルーター

今回は経済産業省が「省エネ・節電メニュー」に挙げている、5カテゴリ(表中オレンジ色の部分)をピックアップして節約術を紹介します。
実はほかにも消費電力が大きい家電製品としてドライヤーや電子レンジ、IHクッキングヒーターなどがあります。しかし使用する頻度や時間の長さを考えると、やはり5位以内にランクインしたものの節電に努めたほうが賢明です。
それではひとつずつ見ていきましょう。

1. 冷暖房(エアコン)の効率化で節電

冷暖房(エアコン)の効率化で節電
夏は電気使用量の4割近くを占めるエアコン。ぜひ節約に取り組みたい家電です。エアコンの節電には次の6つが効果的です。

@ エアコンの設定温度を上げる(夏) / 下げる(冬)

エアコンの設定温度は、夏は28℃、冬は20℃が目安です。
夏に設定温度を1℃上げれば、消費電力が約13%削減できます。また冬に設定温度を1℃下げれば、消費電力の約10%が削減できます。

A サーキュレーターと併用する

エアコン使用時は、室内の風を循環させてくれるサーキュレーターをぜひ併用しましょう。冷たい(暖かい)空気が部屋じゅうに行きわたり、冷暖房の効果が高まります。
ほかサーキュレーターは部屋干しの乾燥や換気にも役立つため、1台あると便利なアイテムです。

B カーテンを閉めて断熱効果を高める

エアコンの使用中にカーテンを閉めれば、冷気や暖気を室内に閉じ込めてくれます。また昼間の外出でもカーテンを閉めておくと、夏は日光を遮ってくれるため室温の上昇を防ぎ、冬は冷たい外気を遮断してくれます。

C フィルターを掃除する

2週間に1度を目安にフィルターを掃除しましょう。フィルターが目詰まりしたエアコンとくらべて、冷房時は約4%暖房時は約6%の消費電力をカットできます。

D 室外機のまわりに物を置かない

室外機の吹き出し口まわりに、プランターやBBQ用品など物を置いていませんか?実は冷暖房効率を下げる原因です。室外機に直射日光が当たる場合は、植木やすだれなどで日陰にしてあげましょう。

E 自動運転を使う

自動運転では、室温がエアコンの設定温度に達すると省エネモードや弱運転モードに切り替わります。人間が手動で操作するよりも室温をうまくコントロールできるため、電気代の節約につながります。

2. 冷蔵庫で節電

冷蔵庫で節電
炊事・冷蔵庫は夏も冬もエアコンに次ぐ2位の電気使用量でした。とくに冷蔵庫は夏も冬も電気使用量の1割以上を単独で占めます。ここでは冷蔵庫の節電術を3つ、見ていきましょう。

@ 設定温度を上げる

冷蔵庫も温度設定ができるのをご存知でしたか?庫内の温度を上げれば消費電力を抑えられます。「強・中・弱」といった形で調整できるので、もし強になっていたら中や弱に調整すると良いでしょう。ただし、とくに夏場は食品の傷みに注意してくださいね。

A 熱いものは冷ましてから冷蔵庫に入れる

余った白ごはんや沸かしたての麦茶などは粗熱が取れてから冷蔵庫に入れましょう。温かいままだと庫内の温度が上がってしまい、冷やすために多くのエネルギーを消費します。

B 食材を詰めこみすぎない

冷蔵庫に食材を詰めこんで冷気の吹き出し口をふさいでしまうと、庫内が冷えにくくなり、消費電力が増加します。賞味期限切れの食材や、未開封で冷蔵庫に入れる必要のない食材が入っていないかチェックしてみましょう。
ただし、冷凍庫は食材を隙間なく詰めたほうが節電につながります。凍った食材が保冷剤の役割を果たし、庫内の温度を下げてくれるためです。

3. 照明で節電

照明で節電
自宅の照明で白熱電球を使っている場所があれば、電球型LEDランプに取り替えると電気代を節約できます。電球型LEDランプの消費電力は白熱電球の1/6ほど。経済産業省によると、ひとつ取り替えれば年間2,790円の節約になるとの試算が出ています。もし複数個取り替えれば、意外と大きな金額になりますよね。
参考:白熱電球と電球形蛍光ランプとLED電球のコスト比較
出典:照明 | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
なお白熱電球はひとつ100円ほどで、寿命は約1,000時間。一方、電球型LEDランプはひとつ2,000円ほどしますが、寿命は40,000時間あります。9ヵ月使えばトータルコストで電球型LEDランプに軍配が上がります。

4. メディア機器で節電

メディア機器で節電
次はテレビ・PC・ゲーム機などのメディア機器です。2つの節電方法を紹介します。

@ 画面の明るさを下げる

テレビでもPCでも、画面の明るさを下げることで節電できます。マイクロソフトによると、画面の明るさを40%に設定すると23%の節電効果があるそうですよ。
また画面が明るすぎると目にも負担がかかります。とくにリモートワークでPCを日常的に使う方は、一度設定を見直してみてはいかがでしょう。

A 省エネモード・スタンバイモードを使う

機器によって機能名が異なりますが、
・テレビ…省エネモード
・PC…省電力モード / バッテリー節約モード
・ゲーム機…スタンバイモード / スリープモード
などが一般的です。

一定時間、操作がなければ電源が切れる、完全に電源が切れるわけではないが、消費電力を抑えた待機状態にできる、消費電力を抑えて駆動するなどで節電につながります。

5. 待機電力で節電

待機電力で節電
待機電力とは、電化製品がコンセントに挿さった状態で電源がオフだったとしても消費される電力です。
たとえばテレビ、スマホや掃除機の充電器などがあげられます。またテレビや扇風機などはリモコンで電源を切ったとしてもコンセントには挿しっぱなしにしておくことも多いのではないでしょうか。
充電が終わったらコンセントから充電器を抜き、プリンタや電気ケトルなど使用頻度の高くない家電製品もコンセントから抜いておくように心がけましょう。

今日から節電に取り組もう

今日から取り組める節電アクションを5ジャンルにわけて紹介しました。ひとつひとつの行動で節約できる金額は月に数百円ほどかもしれません。しかし今回挙げた5つの家電・カテゴリはどれも稼働時間が長く消費電力量が多いため、節約の効果が出やすいものです。
ただし、とくにエアコンや冷蔵庫などは、節電の度を過ぎると熱中症や食あたりなどで健康を害する恐れもあります。無理のないように取り組んでくださいね。
次回は電気の契約プランの見直し方や電力会社の選び方を解説します。

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