お金を借りる・金融トラブルを知る 〜高校生のためのマネーリテラシー(パート4)|横浜、東京近郊出張対応&オンライン(WEB)相談可・ライフプラン、資産運用、保険の見直しはFCTGファイナンシャルプランナーズにご相談ください。

お金を借りる・金融トラブルを知る 〜高校生のためのマネーリテラシー(パート4)

「お金を借りたい」と思ったときには、そのお金を返せるかどうか、よく考えてみる必要があります。お金を借りるとは、将来の収入の先取りです。

お金を借りると一般的に利子(金利)が発生します。
後払い(クレジットカード)も、分割払いやリボ払いでは手数料(実質的には金利)が発生します。

「お金を借りる」ときには、「お金を返せないと、どうなるか」を知っておくべきです。

今後働いて得られる収入を予想し、そこから生活費その他の支出を差し引き、それでも返せるかどうかを考えます。
その際、余裕をみておく必要があります。予想に比べて収入が少なかったり、急な出費で支出が増えることもあるためです。

大学生になってからお金を借りる可能性のある状況と遭遇するかもしれない金融トラブルについてご紹介していきます。
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1. クレジットカード(後払い)のしくみ

大学生の中には、クレジットカードを既に持っていたり、これから持ちたいと思っている方も多いと思います。
クレジットカードの使い方は、ショッピング(買い物)とキャッシング(現金の引出し)に分かれます。

@ ショッピング・・・買物をした代金をカード会社に立て替えてもらい、後日、支払うもの。通常、1回払い(一括払い)などには金利はかかりませんが、3回以上の分割払いには金利がかかり、分割回数が多いほど金利は高くなります。
「リボルビング払い」(毎月一定額を返済するなどの方式)も、回数が多い分割払いと同程度の金利がかかります。

A キャッシング・・・クレジットカードを使って現金を引き出すもの。金利はカードの使い方の中で通常は最も高くなります(回数が多い分割払いと同程度以上)。
カードを使ったショッピングも、キャッシングも、「お金を借りている」(借金している)ことになります。カードを使う前には、「借りたお金を返せるか」と自問しましょう。

お金を借りる前に毎月の返済額や返済期間を確認して返済のイメージを持ちましょう。
そして金利にはよく注意しましょう。
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2.奨学金と教育ローンの特徴

学生のうちにお金を借りることになる状況は「奨学金や教育ローン利用」のケースが最も身近にある可能性かもしれません。

@奨学金とは、経済的理由で就学が困難な優れた学生に学費の「給付」または「貸与」をする制度です。

貸与型奨学金:返済の必要があります。無利子と利子付があります。
給付型奨学金:家計や学業成績の基準があります。返済の必要はありません。

日本国内で実施されている奨学金の利用者の約9割が貸与型で、給付型を利用できる人数はまだまだ少ないのが現状です。

奨学金の一番のメリットは、在学中は無利息となることです。
奨学金の金利は教育ローンよりも低い水準であり、在学中の利息がかからないため、教育ローンを利用するよりも負担が少なくて済みます。
奨学金のデメリットは、借入れする人(債務者)が子ども本人となるため、子どもが自分で返済しなければならないことです。例えば、就職後の給与が少ない場合、卒業後の経済的負担が大きくなります。

A教育ローンは、一般的に保護者が債務者となるため、子どもに返済負担をかけなくて済む点がメリットです。
奨学金は借入れの入金が入学後ですが、教育ローンは入学前に借入れできるため、入学前に必要な資金としても活用可能です。

ほかにも、教育ローンは、資金使途が入学金や授業料だけでなく、教材費やアパートの敷金など、幅広く設定されていることもメリットです。


奨学金教育ローンの特徴>

@ 奨学金:低金利で借入れできる
A教育ローン:受験前・入学前の資金として借入れできる

それぞれの特徴を踏まえ、使い分け方法を決めることができます。
例えば、入学金や1年目の前期授業料など入学前に必要なお金は、A教育ローンで準備し、その後の学費などは@奨学金でまかなうことも可能です。

返済の負担をできるだけ小さくしたい場合は、低金利の@奨学金で資金をまかなったうえで、不足部分をA教育ローンで準備しましょう。
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 3.金融トラブルに注意

大学生になると行動範囲や人間関係が広がることによってさまざまな金融トラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。

残念なことに世の中には、だまそうとする人が多くいます。
大学生が、悪質商法などの消費者被害に遭うケースは多くみられます。

手口としてはたとえば、
マルチ商法(先輩や友人の紹介で高額な投資用DVDを買うなど)、
理美容・アンケート・モニター商法(モデルになるための化粧品、痩身、美顔、脱毛など)、就活商法(セミナーなど)、サクラ・出会い系サイト(有名人に会える、悩みを聞くバイトなど)、アダルトサイト(架空請求など)、デート商法ブランド品詐欺などです。

人をだます際に、大学生を利用する人もいます。たとえば振り込め詐欺を企てる人が、振込用の銀行口座の開設や入手を大学生に依頼するケースだました人から現金を受け取る役割を大学生に依頼するケースなどがあります。多くの場合、かなりの報酬が支払われます。
協力するのは犯罪です。報酬につられて安易な気持ちで協力すると、人生を誤ります。

どれほどお金に困っていたとしても、ヤミ金融からお金を借りることは絶対にやめましょう。ヤミ金融も犯罪です。暴力的・脅迫的な取り立てが行われ、周囲の人にまで被害が及ぶケースが少なくありません。決して近づくべきではありません。
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<金融トラブルを避けるために>

「お金に関して、うまい話はない」と肝に銘じれば、だまされる可能性は小さくなります。

@モノやサービスを購入するときには、お金に見合った価値があるか、よく考えましょう。
迷ったり、少しでも不安を感じたら、周囲の信頼できる人の意見を聞いてみましょう。 はっきりと断る勇気も必要です。

A契約の基本を身につける
18歳になると保護者の同意がなくても自身で契約をすることができるようになります。
大事な契約は、契約書をよく読むことが大切です。理解できたか自問し、わからない点は質問する、重要な内容は書面にしてもらうといった姿勢が必要です。
トラブルにあってしまったら、悪質な業者との契約の取り消し・無効を求めましょう。

B友人に頼まれて借金の保証人になると、友人が払えない場合、代わって支払わなければならなくなります。連帯保証人になると、友人が支払える場合でも、保証人に請求がくれば支払わなければならなくなります。保証人や連帯保証人になるのではなく、相談窓口を教えてあげましょう。

C 金融商品は、「信頼できる業者からしか購入しない」と決めておきましょう。
どのような業者が信頼できるかは、日頃からしっかり自分の基準を考えておきましょう。業者選びは保守的であるのが一番です。「あなただけに」「あなたのために」などと言ってくる相手も信用できません。相手は自分のために行動しています。真意を見抜くことが大切です。

D「自分がきちんと理解できる金融商品しか買わない」と決めておきましょう。
そもそも、しくみを理解できない商品を買うのは危険なことです。
金融商品を選ぶときに、「自分がきちんと理解できる商品しか買わない」と決めておけば、だまされたり、想定外の損失を被る可能性は小さくなります。

E情報は、「どのような立場から提供されているか」に注意しましょう。
中立的な立場」から情報提供を行っている組織・団体や、「購入者の立場」に立って情報提供している専門家などから情報を得ることが大切です。

「売る側」の情報は、どうしても「買って欲しい商品」の情報提供に力点が置かれがちです。「売る側」にとっての「買って欲しい商品」は、「買い手」にとっての良い商品ではない場合が多いものです。「売り手側」から情報を得るときは、複数の「売り手」から情報を集め、比較しながら検討するようにしましょう。
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F困ったときの相談窓口を知る

万が一トラブルにあっても、決してあきらめない姿勢が重要です。困ったときは保護者や専門機関に相談してください。

「消費者ホットライン」=全国共通の電話番号「188」(いやや!)に電話すれば、近くの消費生活センターの相談窓口を案内してくれます。
消費者ホットライン 188

金融サービスについては、金融庁の金融サービス利用者相談室もあります。
0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)
事前相談(予防的なガイド)」(トラブル発生の未然防止のための相談窓口)は
0570-016812(IP電話からは03-5251-6812)

法律全般については、日本司法支援センター(法テラス)、日本弁護士連合会などが相談窓口を電話で案内しています。
法テラス 0570-078374(IP電話からは03-6745-5600)<窓口を紹介>
日本弁護士連合会 0570-783110 <近くの弁護士会の法律相談センターにつながる>

警察の相談窓口も知っておきましょう(たとえばヤミ金融の被害、振り込め詐欺など)
警察相談専用電話 #9110(全国共通の短縮ダイヤル)
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これからの人生はずっと「お金を使う・貯める・借りる」の経験を積みながらお金との付き合い方を身につけていくことになります。
経験の少なさから怖い思いをしないためにも、知識を身につけ計画を立てて準備をしましょう。

計画を立てるにあたって、人生全体のプラン(ライフプラン)を考えて、30歳までのプランを具体的に描いてみるといいでしょう。

「人生における重要なことの多くは、30歳までに起きる」といわれます(たとえば職業選択、結婚、最初の子どもなど)。20代の生き方は重要です。

「30歳の自分」を思い浮かべ、そのときに理想的な状態になれるよう、行動プランを作りましょう。そのために大学時代をどのように過ごすべきかについても考えましょう。
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おいしい話にご用心(金融広報中央委員会「知るぽると」より)
悪質商法とたたかう(金融広報中央委員会「知るぽると」より)

※もっと知りたい方にはこちらがオススメです
金融庁ウェブサイト「高校生のための金融リテラシー講座


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